2008年 05月 07日
プリンタや用紙を評価する場合の、チェックシートの作り方を解説します。 この記事は、玄光社刊「プロフェッショナルデジタルプリント」に鹿野宏さんがお書きになったものをリライトしています。 内容、図版はほぼ同じですが、引用するに当たって鹿野さんから許可を頂きました。 鹿野さん、ありがとうございます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まず、Photoshopで新規画像を作ります。 カラースペースは、Adobe RGBにしておきます。 (sRGBでテストしたいなら、最初にファイルを作るときにsRGBにしておいたほうが良いそうです。) (この画像をA4にプリントすると幅16.93cmなので、いっぱいに利用しようと思ったら幅2800ピクセルくらいまで増やせます。あとでモザイクフィルタを50平方ピクセルにして段階を作るので、50で割り切れるピクセル数が良いようです。今回は、鹿野さんがお書きになった数値に基づいて、記事にします。) 新規のウインドウが開いたら、グラデーションツールでスペクトルを選びます。 グラデーションエディタは、オプションバーのグラデをクリックすると開きます。 この時、シフトキーを押しながらやると、水平に引けます。 グラデの始点と終点を50ピクセルほど内側にしておくのがコツだそうです。 (そのために定規の単位をピクセルにしてみました。) この時も、シフトキーを押しながら50ピクセル内側に引きます。 グラデが引けたら、レイヤーの描画モードをハードライトに変更。 フィルターメニュー>ピクセレート>モザイクを選び、 50ピクセル内側から黒白グラデを引いたので、明度の1列目は、ほぼ0か255になっていると思います。 次に彩度変化を見るためのチャートを作成します。 今度は、幅2400ピクセル、高さ600ピクセル、解像度360ppiで新規画像を作り、またスペクトルを使ってグラデを引きます。 次にグレートーンのスケールを作ります。 今度は、幅2400ピクセル、高さ120ピクセル、解像度360ppiで新規画像を作り、黒、白でグラデを引きます。 最後にA4用紙にプリントできるように、1枚の画像に貼り込みます。 A4の大きさの画像を開きます。 それを彩度0%、明るさ50%(R128,G128,B128)のグレーで塗りつぶします。 その上に、今まで作ったチャートを配置していきます。 最初に書いたように、幅2400ピクセルの画像は、A4用紙の短辺に比べても、まだ大分余裕があります。 なので、私はチャートを左に寄せて、右側にも2本、黒白とスペクトラムのグラデを縦に配置してみました。 下の空いている部分には、画像を適当に貼り込みます。 チャートの大きさ、セルの大きさ、グラデの段階、貼り込む画像やレイアウトは参考例です。 各自に用途に合わせて変更してお作り下さい。 また、このチャートは、おおまかな色の出方、動きなど全体的な傾向を見るものなので、分離や段階は数値的に均等ではありません。 スペクトラムの各色の幅に違和感がある場合は、グラデーションエディタで色の間隔を調整すれば良いでしょう。 このチャートを制作するに当たって、鹿野さんからは次の注意点を頂きました。 あのチャートは本当に再現範囲のもっとも外側、カラースペースの最高彩度地点を表していることを付け加えてください。 あのチャートが再現できないからといってそれをプリンタのせいにしてはいけません。 AdobeRGBで作った場合のあのチャートを再現できるデバイスはほとんど存在しないのですから。 その意味を知らずに乱用するとろくな結果を招きません。 実際の使用に時に彩度を10%、20%、30%と下げたバージョンを用意してプリントすることをお進めします。 30%下げたチャートを再現していれば十分だと思います。 ということなので、デジカメ画像を貼り込む前のチャートを統合し、Gamut Worksでプロットしてみました。 ドットがチャートに含まれる色を表しています。 赤い範囲がAdobe RGB、グリーンは参考として、エプソンPX-G5300のCRISPIAのガマットを配置してみました。 そこで、彩度を30%落としたものをプロットしてみました。 それでも、プリンタのガマットよりは、まだ外にあります。 鹿野さんのご注意の通り、実際にはこれで十分かと思います。 彩度を落としたチャートを載せておきます。 さっきの画像よりも、飽和が少なく見えるでしょうか? 彩度を落とすには、カラーチャートのレイヤーの上位に「色相・彩度」の調整レイヤーを置いておくのが良いかと思います。 このチャートをプリントして検証する点は、カラーチャートの色の分離、グレーチャートの色転びなどです。 また、プロファイルを使用した場合、レンダリングインテント(マッチング方法)を知覚的にするか相対的にするかによって、色がどう動くかを見るのにも使えます。 ドライバを使用した場合、プロファイルを使用した場合など、条件をかえてプリントしてみると、その違いを理解するのに役に立つでしょう。
by yukinyaa03
| 2008-05-07 11:33
| カラーマネジメント
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