2010年 06月 06日
MacのColorSyncユーティリティーで、AdobeRGBとsRGBのガマットを比較すると下のようになります。 外側の白い線がAdobeRGB、内側のカラーの部分がsRGBです。 同様に、AdobeRGBカバー率98%と謳われているナナオのSX2462Wと、同じくナナオのL997の、メーカーデフォルトプロファイルを比較すると下のようになります。 外側の白い線がSX2462W、内側のカラーの部分がL997です。 通常、使用しているのはこのプロファイルではなく、Eye-One Matchで作成したカスタムプロファイルです。 それらを比較すると、若干デフォルトプロファイルとは、ガマットの広さが違っています。 白い線がデフォルトプロファイル、カラーがカスタムプロファイルです。 SX2462WはAdobeRGBカバー率98%と謳われていますが、AdobeRGBのガマットと比較すると、形状は若干異なっています。 白い線がSX2462W、カラーがAdobeRGBです。 白い線がSX2462Wのカスタムプロファイル、カラーがAdobeRGBです。 それによってProPhotoRGBを作業用カラースペースにしているLightroomでは、RAWのプレビューでAdobeRGB以上の色が表示される(と言ってもProPhotoRGBからSX2462Wの色域に変換された最高域の色。かならずしもProPhotoRGBで定義された色そのものでない。)場合があります。 さて、色域がsRGB程度のモニタ(L997など)でAdobeRGBで定義されたデータを扱う場合、データにsRGBの色域以上のカラーが含まれていると、そのカラーはsRGBモニタではクリップされます。 つまり、sRGBモニタが表示できる色域のもっとも外側当たりの色に置き換わってしまい、実際には階調差があっても表示できなくなります。 一番最初に上げたガマット図が示すように、AdobeRGBはsRGBを内包する大きさがあります。 なので、sRGBからAdobeRGBに変換した場合は、RGB値は変わっても色の見た目は変わりません。 では、sRGBでR、G、B、C、M、Yの最高値のファイルを作り、PhotoshopでAdobeRGBに変換したときに数値がいくつになるかを調べました。 (ご注意。これらのファイルには、それぞれsRGB、AdobeRGBのプロファイルが埋め込まれています。カラーマネジメントに対応したブラウザでは、両者はほぼ同じ色に見えます。カラマネに対応していないブラウザ(例えばWindowsのIEなど)では、モニタの色空間上で異なるRGB値のデータとして表示されますので、色は違って見えます。ブラウザで同じに見えない場合は、ダウンロードしてPhotoshopなどのカラーマネジメント対応アプリで比較して下さい。ダウンロードすると、記載しているRGB値と変わる場合があります。) このように、sRGBからAdobeRGBに変換するとRGB値は変わりますが、色の見た目は変わりません。 数値を見ると分かりますが、AdobeRGBのほうは、R、G、B、C、M、Yの最高値にはなっていません。 そこで、AdobeRGBで最高値のファイルを作り、sRGBと比較してみます。 (これらのファイルの色の違いを視覚的に認識するには、AdobeRGBカバーモニタが必要です。また、上記同様AdobeRGBプロファイルが埋め込まれていますので、カラーマネジメント対応ブラウザが必要です。) sRGB程度のモニタでも、多少色の差があるように見えることがありますが、AdobeRGBモニタで見るほど大きくはありません。 また、色の知覚は個人差がありますので、AdobeRGBモニタでご覧になっても違いの分かりにくい色はあると思います。 私にはブルーやイエローはあまり違いがあるように見えず、レッド、グリーン、シアン、マゼンタは違うのが分かりますが、もっとも違いが顕著なのはシアン(R0/G255/B255)とグリーン(R0/G255/B0)ではないでしょうか。 冒頭に上げたsRGBとAdobeRGBの色域の差を見ても、シアンやグリーン域で大きさがかなり違うのが分かります。 ここでシアンに関して見てみると、sRGBでR0/G255/B255だったのが、AdobeRGBではR144/G255/B255になるということは、AdobeRGBのR0〜145/G255/B255は、sRGBでは表示できないということになります。 下の画像は、AdobeRGBで、R3/G255/B255 〜 R145/G255/B255になっています。(AdobeRGBタグ埋め込み) AdobeRGBカバーモニタでは右の方が明るいグラデーション(左L=86、右L=91)になっているのが分かると思いますが、sRGBモニタでは、ぱっと見ほぼベタになるはずです。 sRGB準拠モニタでも、もしsRGBよりちょっと広い色域を持っていれば、若干AdobeRGBのほうのグラデが分かるかも知れませんが、sRGB以下のモニタでは、変換したほうの画像と同じ見え方になると思います。 上のAdobeRGB画像を、Photoshopのモザイクフィルターで10分割してみました。(数値の動きがあったので、トンカーブで多少出力調整。) この画像をL997に持って行くと左から8番目まではベタ、9番目10番目は違いが分かりました。 上のガマット図では、sRGBとL997のモニタプロファイルの比較をしていませんが、L997も完全にsRGBに一致しているわけではなく、このシアン側に対してはsRGBよりも広いので、AdobeRGBデータでもsRGBを超えている色域のほんの一部は階調が再現されるのだと思います。 ちなみにL997でモニタプロファイルをsRGBにしてみたら、これらの段階はまったく分からなくなり、ベタになりました。 ということで、AdobeRGBカバーモニタであれば、AdobeRGBで定義された画像は、sRGBモニタよりも多くの階調が見られる可能性がある、というお話でした。 モルフォ蝶の青とか、エメラルドグリーンの南の海とかは、sRGBでは収まらない例としてよく出てきます。 あ、モルフォ蝶ってどんな色?って画像検索してもダメですよ。 web画像は元sRGBのタグなしか、sRGB埋め込みですからね〜。 本来の鮮やかな深い青は、webでは見られないです。(青い蝶だというのは分かると思いますが。) AdobeRGB埋め込みのモルフォ蝶画像がどっかにあればいいですけど。(笑
by yukinyaa03
| 2010-06-06 21:31
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