2014年 05月 22日
(ご参考:過去にアップした関連記事など。 ・RAW + JPEG ・高輝度側・階調優先とオートライティングオプティマイザー) 下の画像は高輝度側・階調優先はオフのまま撮影したJPEG。(これ以降の画像はすべて拡大可能です。) それに対し、高輝度側・階調優先をオンにして撮影すると、 ただ、RAWで撮っていれば、高輝度側・階調優先をオンにしないで同時記録したJPEGが白飛びを起こしていても、Lightroomで開くと飽和警告が出ない場合があります。(上のIMG_0003-3.jpgと同時記録したRAW。) 一例として、ハイライトを-10、白レベルを-100にしてみました。 さて、では上の画像よりもう1段露出オーバーなRAWデータならどうか。 先ほどの画像では、ウサギの頭に当たっている光量は、撮影時の絞り値(f11)に対して2段1/3(f22+1/3)ほど明るかったです。(露出計で計測) もう1段オーバーと言うことは、撮影値に対してハイライトは3段以上オーバーということになります。 なので、Lightroomで開いた状態でも、ハイライト警告が出ます。 しかしその出方が、高輝度側・階調優先をオフの場合と、オンにした場合では出方が違います。 高輝度側・階調優先オフで撮影したRAW。 高輝度側・階調優先オンで撮影したRAW。 それぞれを、ハイライト-50、白レベル-100にしてみると、 高輝度側・階調優先オフ。 高輝度側・階調優先オン。 では、どれくらいオーバーになっても、ハイライトのディテールを取り戻すことが出来るのか? これらは高輝度側・階調優先をオンにし、露光量(ストロボの発光量)を1/3ずつ変えて撮影したものです。 最下段の2枚は、開いた時からハイライト警告はほとんど出ませんが、上の8枚は警告が出ます。 白枠の画像を基準にすると、左上の画像は3段ほど明るくなっています。 それらの画像に対し、Lightroomのパラメーターを変更してみます。(違いが分かりにくい場合は、拡大して見てください。) 白レベル-100。 ハイライト-100。 露光量-5.0。 ハイライトスライダを-100に下げて、ディテールが回復するのは基準露出からプラス1段1/3の画像まででした。(中段左から二番目) ハイライトスライダや露光量スライダを下げると、ハイライトがマゼンタかぶりしてくるのは高輝度側・階調優先と関係がありそうです。 高輝度側・階調優先をオフにした画像で、露光量-5にしてもハイライトにかぶりは出ませんでした。 ちなみにIMG_0006.CR2をCapture Oneで開いて、ハイライトを100(リカバリ量100という意味です)にすると、こんな感じ。 さて結論として、高輝度側・階調優先の効果はRAWデータでも有効だと思われます。 でも良いことばかりではなくて、シャドウの方が少し階調が悪くなります。 今回のテストはISO200で撮っているので、シャドウを派手に上げない限り差は目立ちませんが、高感度になるにつれ、高輝度側・階調優先をしない画像よりシャドウノイズが目立ってくると思います。 過去にも何度かテストして、シャドウの描写が悪くなることは実感してました。 ですが、カメラ自体も高感度特性が良くなり、高感度ノイズも少なくなってきたので、最近のカメラなら高輝度側・階調優先をオンにして高感度で使っても、以前ほどノイズが目立たないかも知れません。 これに関しては、後日確かめたいと思います。 以前から高輝度側・階調優先はRAWで撮影する時にも有効だろうと思っていましたが、ちゃんと調べたことはありませんでした。 EOS70Dで撮影していて、どうもハイライトが飛びやすいなと思ったので、Digital Photography Reviewで70Dのダイナミックレンジの評価はどうだろうと調べてみたところ、HTP(Highlight Tone Priority=高輝度側・階調優先)をオンにすると、かなりハイライトのレンジが伸びるのを知りました。(上記リンク先の最後の方に、HTPはどういう動作をしているのかという解説があります。日本語で「高輝度側・階調優先」を検索しても、なかなか技術解説したところがヒットしないので、参考になると思います。) 評価機種を他のEOS機種にカスタマイズし、キャプチャして高輝度側・階調優先のオンオフによるレンジ幅を比較してみました。 (注:このレンジ測定は、JPEGで行われていると思います。) それでもオンにすることによって、ハイライトのディテールはもう少し出るようになるだろうと思いました。 でも、この図が示すように、シャドウの方は若干レンジが狭くなります。 RAW現像時にシャドウを明るくすると、オフの画像よりノイズが目立つようになります。 今回は簡易テストなので、実際の撮影でハイライト、シャドウがどれくらい違ってくるかは、また改めて調べてみたいと思います。 今までも高輝度側・階調優先をオンにして撮影していることは何度もあるので、画像を探せば良いのですが、Lightroomのフィルターには高輝度側・階調優先の有無という項目はありませんし、DPPで画像情報を見ても高輝度側・階調優先の項目はありません。 (オートライティングオプティマイザーのように、RAWデータならあとから変更が可能なパラメータではないからだと思います。) なので検索しようにもどの画像がオンになっていたかは、後からでは分からず・・・・。 今回はこの辺で。 #
by yukinyaa03
| 2014-05-22 19:37
| デジタル・フォト
2012年 12月 22日
補正ブラシがアクティブになっている時に使える、ショートカットをまとめてみました。 (Mac用キーボードの場合です。Windowsの場合は、コマンドはCtrl 、optionはaltだと思います。) ※ Oキーを押すと、ブラシで塗った部分を色づけして表示。(初期設定では赤) ※ その表示色は、shift+Oで切り替えられる。赤>緑>白>グレーの順。 ※ ブラシ適用を示すピンはHキーで表示/非表示できる。 ※ アクティブなピンの上でカーソルを左右にドラッグすると、そのブラシで適用した内容の全体量を同時に変えられる。 ※ カラーのパレットを表示し、パレット内でカーソルがスポイトになった状態でプレスし、画像上にドラッグすると、画像の色をパレットに設定出来る。 ※ shiftキーを押しながらドラッグすると、水平または垂直に塗れる。 ※ / キーで、ブラシA/B切り替え。 などがあります。 #
by yukinyaa03
| 2012-12-22 02:45
| Lightroom
2012年 12月 01日
先日のセミナーを聴講していて、 「自宅のiMacで作業していた画像をMacBookにコピーし、出先で作業を続け、それを再びiMacのLightroomに読み込むにはどうしたらよいか」 と質問なさっている方がいました。 結論から先に言うと、そういう場合は「カタログとして書き出し…」と「別のカタログから読み込み…」を使います。 では試してみましょう。 (キャプチャした画像は、1920x1200と1680x1050のモニタなので、縮小画像では文字がよく分からないかも知れません。詳しくご覧になりたい場合は、クリックして拡大して下さい。) タイトルバーに「Lightroom 4 Catalog」と書かれています。 Lightroom 4 Catalogというのは、私がプライベートデータを管理しているカタログの名称です。 今回は、MacBook Proに入れて持ち出すことを想定し、ネットワーク接続しているMacBook Proのデスクトップに「キメ作業中」というカタログを書き出すことにしました。(キメというのは猫の名前です。(^_^;)) また出先で現像などの続きをやりたいので、元画像も一緒に書き出し、MacBook Proでの表示を速くするためにプレビューも書き出しておきます。 今回はWiFiネットワークで書き出しましたが、大量に書き出す時は時間がかかるのでLANケーブルで直結した方が良いでしょう。 あるいは、リムーバブルディスクに書き出して、それを仲介にするのも良いと思います。 MacBook Proに元画像を書き出しても、MacProの画像はそのままで構いません。 また戻すことを想定していますが、削除する必要はありません。 書き出しが終わると「キメ作業中」というフォルダが、MacBook Proのデスクトップに出来上がり、その中に「キメ作業中」というカタログファイルがあるので、それをダブルクリックしてLightroomを起動します。 今度はタイトルバーが、「キメ作業中」となっているのが分かるでしょうか?(黄色いツールヒントが出たままキャプチャしちゃいましたが、気にしないで下さい。(^_^;)) MacBook Proでの作業は終わりにし、Lightroomを終了します。 今回MacBook Proに元画像を書き出しましたが、MacProの画像はそのままにしてあるので、作業によって追加された「メタデータと現像設定のみ」読み込むことにします。 これはメタデータと現像設定が読み込まれただけの話で、元画像はMacBook Proからは読み込まれておらず、MacProにある画像の設定を上書きして表示しているだけです。 この先また、MacProで編集を続けることが可能です。 MacBook Proの方の画像はそのまま残っていますが、もう作業しないなら削除、消去して構わないでしょう。 #
by yukinyaa03
| 2012-12-01 07:10
| Lightroom
2012年 10月 04日
先日アップした現像調整の記事、参考になったとお褒めの言葉をいただいたのですが、自分としてはイマイチ分かりにくいかな?と・・・ そこでビデオキャプチャーを作りました。 もともとビデオで解説した方が分かりやすいよな〜とは思っていたのですが、途中でナレーションを噛むとかっこ悪いのでやり直したりすると、それはそれでけっこう大変なのです。(^_^;) キャプチャには、screenrの無料版を使いましたが、キャプチャ時間5分という制限があり、それを気にしながらしゃべるのも緊張します。w で、声がかすれてお聞き苦しいところも多々ありましょうが、そこは何卒寛大にご容赦頂きますようお願い申し上げまして・・・・m(__)m screenrサイトに表示されるEmbedコードが、なぜかexciteブログには貼れないので、貼り付けはYouTubeに公開したものを貼っています。 ですが、screenrサイトで表示し、フルスクリーンでご覧頂くと解像もはっきりしているのではないかと思います。 screenrでは1600x1000ピクセルでキャプチャしました。 それぞれ5分以下ですのですが、お暇なときにご覧下さい。 【screenr版】Lightroom4の現像調整 その1 露光量とコントラスト 【screenr版】Lightroom4の現像調整 その2 ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベル 【screenr版】Lightroom4の現像調整 その3 明瞭度、自然な彩度、彩度、色温度、色かぶり補正 【screenr版】Lightroom4の現像調整 その4 明瞭度、自然な彩度、彩度、白黒変換 #
by yukinyaa03
| 2012-10-04 23:23
| Lightroom
2012年 09月 30日
前回の画像を使って、画像コントラストを調整してみます。 元画像。(LUMIX G3 14-42mm@14mm 1/500 f8.0 ISO160) 露出はオートだったと思いますが、空の部分が多いせいか、少しアンダーに見えます。 露光量を上げた分、空の調子が飛んでしまったので、ハイライトを-100にしました。 また自然な彩度を+50にして、空と芝生の色が濃くなるようにしました。 +100まで上げることはめったにないですが、+100にしてみました。 (ただしシャドウスライダを上げすぎると、ノイズが浮いてきますので、画像を1:1表示にしてシャドウを確認した方が良いです。) その分全体に明るくなったので露光量を+0.2に減らし、ハイライトを落としてシャドウを上げたことによって全体コントラストが低下したので、コントラストを+40に上げました。 またLightroomの場合、コントラストを上げると彩度も上がるので、その分自然な彩度を前の調整より下げて+25にしました。 トーンカーブのライトをぐぐっと上げて見ました。 相対的にシャドウが暗く見えるので、基本補正のシャドウをまた+100に、全体的に明るくなったので露光量は-0.4、ハイライトを-80にしました。 またトーンカーブのハイライトも下げて、雲の調子が飛びすぎないようにしました。 トーンカーブで明るくしながら、露光量でマイナスにするのは何か無駄な作業のようにも思えますが、ま、テキトーですので。 (^_^;) ただ、組み合わせによってトーンは微妙に異なってきます。 こんな組み合わせはいつもはしません。w 前回の記事を見ると、白レベル-100も黒レベル+100も全体的なコントラストが低下するので、それをトーンカーブで補っています。 トーンカーブのライトを+45にしたせいで全体が明るくなった分、露光量は-0.5に下げました。 基本補正のハイライトは0のままですね。 私はポジフィルムではフジを使っていたのですが、空が実際よりも青く鮮やかになるのが気に入っていました。 空を青くしたいと思って自然な彩度をぐっと上げて見ました。 その分桜の色も鮮やかになりました。 ですが、下の芝生の色も彩度が上がりすぎてしまったので、芝生の部分には段階フィルターをかけて、彩度を-28に落としてあります。 このあたりになってくると、行き当たりばったりの気分的な処理です。w ハイライト-100、シャドウ+100、白レベル-100、黒レベル+100という、白飛びも黒つぶれもしない設定ですが、コントラストは非常に低下します。 なので、コントラストを+80にしてみました。 これでもまだ中間調がちょっと眠い感じですね。 これを見て分かる通り、彩度スライダは何も上げていませんが、全体的に彩度が上がっています。 シャドウスライダとトーンカーブで全体調整しています。 そのほかに、補正ブラシを使って部分調整をしています。 露光量を下げて全体的に明るさを下げたのですが、雲の白さがくすんでしまうのでハイライトやコントラストを上げてメリハリが出るようにしています。 ここは色かぶり補正をマゼンタにシフトさせて、桜をピンクにしています。 彩度スライダで彩度を上げるのでも良いかも知れません。 全体調整で追い込みきれない部分は、補正ブラシをよく使います。 なんでも100は、一見階調破綻を起こしている(いや実際起こしている部分もありますが。(^_^;))ようでありながら、単なるベタつぶれのトーンにはならないように調整しています。 なので、すべてのスライダーが100になっているわけではありません。 この画像では自然な彩度は100ですが、飽和しすぎるのを抑えるために彩度は-55に下げてみました。 トーンカーブの形はテキトーいーかげんなのですが、行き過ぎを相殺するために露光量やコントラストを調整しています。 また通常「なんでも100」では明瞭度を+100に上げますが、今回は逆に-50にしてややソフトにしてみました。 ま、そのあたりは行き当たりばったりな、気分的な処理です。w でわ、最後に・・・ 処理バージョン2010では、白飛び軽減や補助光効果を上げすぎると、エッジの部分がおかしくなってきます。 また明瞭度の効き方も、2012と2010では変わっています。 明瞭度に関しては、2012のほうが強く効くようになり、またシャドウも持ち上がるようです。 ということで、基本補正のスライダ調整とトーンカーブ調整による全体的な調整、補正ブラシや段階フィルターによる部分調整によって、かなりいろいろなトーンに作り込んでいけるわけですが、使いこなせるようになるには、各調整項目がどう作用するのかを知っておく必要があります。 それらの動きが分かるようになると、イメージを直感的に追い込んでいけるようになると思います。 Lightroomは直感的に操作しやすいソフトなので、使い始めるとやはりこれでなきゃという気持ちになりますよね。w #
by yukinyaa03
| 2012-09-30 19:46
| Lightroom
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